1 2 3 4 5


インタビュアーが一曲ごとに140字以内で感想(?)を呟きます。


3.Pyjama de Ojama!

●まず、この曲を聴いて一番に想い浮かべたのは 80'sの角川映画でした。
T:そうですまさに。より具体的にいえば、細野の手掛けた歌謡曲世界のイメージで歌詞を書きまし た。

●非日常的ヒロインへの憧れが、こちらがひいてしまうくらい感じられます(笑)どうなんでしょう か。
T:これは、私が歌うんだけど私じゃないという意識があって、それはあらゆる創作について言えるこ となんです。

寺:僕らは二人とも匿名的なものにしたくて作っている所があるんです。一曲ずつ違う人が作って、歌 うというようなイメージでしょうか。

●なるほど。ロックバンドというのは往々にして、まず主張があり、それを伝達する手段として音楽が あるということが多いですが、それよりも職人的な作り方に近いということでしょうか。
寺:そうなんですよ。まずどの曲を作るに当たっても、プロデューサーをイメージするんです。これは 加藤和彦、フィルスペクターとか。それから曲に落とし込んでいくからその考えは正しいですね。僕と しては、 toyottyから歌詞を貰った時にはユーミンのイメージが凄くでてきたので曲作りのモチーフとし ました。

T:私も、細野歌謡と言いながらも、呉田軽穂(楽曲提供する際のユーミンのペンネーム)をイメージし ていた部分もあります。ピュアにそのあたりへの憧れから歌詞を書きはじめたので、「月までつづくエ スカレーター」というフレーズがすぐに出てきました。

●なるほど。歌詞に嫌味がなく感じられる理由も分かりました。それと、僕はこの曲のアウトロが最高 だと思うのですが。まず一つに突如現れるコーラス、そしてパーカッションの嵐がなんとも胸に迫りま すね。
寺:個人的には山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子の三人をイメージしながらどうしたら気持ちがいい か考えたんです。実は、僕はこの曲の制作までは理論的に楽曲を考えていこうとしていたんです。しか し、心境の変化があって、音楽ってそういうことじゃないだろうと思ったのです。感覚的なコーラスをつ けようと思ったんです。自分が気持ち良いとしか思えないフレーズを乗せました。

●パーカッションについてはいかがですか。
寺:斎藤ノブらが当時使っていたティンバレスをイメージしたんですが、レコーディングスタジオ には置いてありませんでした。そこでスネアをパンパンに張って、叩いてもらったんです。

●80'sのトーキング・ヘッズやXTCがアフリカンなリズムアプローチを取ろうとした雰囲気にちょっ と近いです。アフリカ密林地帯に住む部族への憧れのような。
寺:そうとも言えるかもしれません。とにかく、かっちりと進んできた楽曲を一気に感覚で壊すこと で、何とも言えない良さが出たと思っています。

○インタビュアーのつぶやき:アウトロで脳内麻薬の大放出。ここに最大のオリジナリティを感じる。 ピグミー族の音楽がヴェンダース映画で登場するシーンがあったのでCDを持っているんですが、それ を思い出しました。理屈を超えたコーラスワークとパーカッションには涙。( 116字)


4.組曲、真冬のヴァカンス

●この曲は組曲であり、作詞も Bannnai-toyottyとなっております。それで、歌詞も女性の部分と男性の 部分にも分かれていますが、何故このような構成になったのでしょうか。
寺:最初は冒頭の大瀧詠一を感じさせる曲調のまま最後まで行くつもりだったんですが、途中で煮詰 まってしまって。そこで歌詞を toyottyに頼む形で作り上げていきました。太田裕美の「木綿のハンカ チーフ」という曲がありますね。あれは松本隆が一人で歌詞を書いてはいるんですが、男女の歌詞が 別々にあるという形式になっています。それをモチーフとしました。

T:私も松本隆が人に歌詞を提供する、コテコテな感じをイメージしたんです。裏話ですが、「雪化粧 の街を挿絵にして」という歌詞の通り、レコーディング日は東京に雪が積もった日だったんですよ。

●いいストーリーですね。他に、オーボエソロの後の拍手はサージェントペッパーを彷彿とさせます。
寺:あれは、クラッシックコンサートの後のソリストへの拍手をイメージしたんですよ。

T:拍手はレコーディングが本当に大変でした …。二階に上って拍手したり、いろんな場所で何テイク も取って重ねたんですよ。寺尾さんが超スパルタで …。

寺:toyottyにはモニター用のヘッドフォンを渡さないで、拍手をしてもらいました。周りとの微妙なズ レが出る方がリアリティがあると考えたのです。

●これは面白い。また、破天荒なギターソロバトルが面白くありますが、その後に抜けて出る歌メロ ディーが凄く新鮮でいいですね。
寺:そうですね。ソロからメロにかけて転調している部分がその効果を出していると思います。

●「いつもそうなのね〜」の部分に関してはフリッパーズギターを彷彿とさせます。これは、寺尾さん の音楽遍歴としては異色だと思うんですが。
寺:これは僕にとっては重要なことなんです。元々そうしたジャンルを聴いてこなかったんですが。僕 は声が細いので、ロックを歌う感じでもない。模索をしていた中で、彼らのようなスタイルでアリなら ば自分もいけると気付いたのです。

●ボーカリストとしての発見。
寺:そうです。そういう意味での大発見だったんです。

○インタビュアーのつぶやき:トリコロールサマーなのに真冬のヴァカンス。それは敢えてインタ ビューでは聞かなかった。でも、夏に冬の歌を聴いたり、冬に夏の歌を聴くのって悪くない。それと 聞くところによると、寺尾伴内に渋谷系を教えていたのは実は toyottyだったとか。(110字)


1 2 3 4 5





1,200円(税込)
DERA-001
1. 瞑想ジュテーム
2. ノンレムSwimming
3. Pyjama de Ojama!
4. 組曲、真冬のヴァカンス
5. 僕はムッシュー
6. とりころーる
7. ジェニーはご機嫌ななめ

Peronica(ぺろにか)
2009年夏、寺尾伴内の新ユニット構想のつぶやきにより、toyotty、imopyの計3名で結成。 日本語ポップスの再興を目指し、1960〜80年代の音楽研究に基づく楽曲制作を行う。 ますます音楽の再分化が進む今日、テクノ、フォーク、ロック、歌謡曲…あらゆる手法を取り入れた楽曲は ジャンルという野暮な柵をひとっ飛びし、もはやノスタルジーにかられたオマージュを越えて、 唯一無二のオリジナリティをみせつける。

懐かしいのか、新しいのか、全ての曲に散りばめられたギミックに面白さと気持ちよさを覚えずにはいられない。 2010年夏、良きリスナーとしての3人の学生はもの静かに、しかしアヴァンギャルドに、 現代の日本ポップスへとひとつのアルバムを投げつけた。

Deracine Music Records
Deracine Music Records