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インタビュアーが一曲ごとに140字以内で感想(?)を呟きます。


1.瞑想ジュテーム

●瞑想ジュテームから伺います。この曲からはエロ・グロの捻じれた恋愛観を感じますが、一体何が元 になっているんでしょうか。
寺:僕の中ではイメージが先行して出来た詞なんです。青い瞳のフランス人の少女が森の中にいて、阿 修羅像にスキンシップを図ろうとしている場面なのです。でも阿修羅像は仏像なのでなんのリアクショ ンも返すことができない。少女のやりきれない想いというものを歌にしたんです。

T:フレンチ・ポップのロリータ・コンプレックスも一種の偶像崇拝のニュアンスがあるので、その関 連もあるとも言えるかもしれないですね。

●エロ・グロの背景に戸川純の存在もやはりありますか。
寺:僕はもう潜在的に戸川純が好きなので、それは言えると思います。とある部分のディレイサウンド についても言えるので、注目して聴いてみてください。

●「優しいふりして/暴力的なあなたは/抱きしめて、殴るの …まるで papaみたいね」 という一節なんかもそうですよね。ここは全体の中では異色に感じられるんですが。
寺:フランスという価値観で統一したかったのもあり、フレンチ・ポップのバイオレンスを出そうとし たというのが一つ、その後に「亜麻色の髪もあなたのもの」という部分はドビュッシーの「亜麻色の 髪の乙女」を引用することでフランス色でまとめました。

T:セルジュ・ゲンズブール色が強いとも言えるかもしれません。

寺:そのものだと捉えられてもおかしくないかもしれません …。曲で言えば、コシ・ミハルのメロディ や細野さんの呪術的な側面にも惹かれました。サビの「瞑想ジュテーム」という部分は松田聖子の「ピ ンクのモーツァルト」から歌のリズムだけ拝借しています。

●へぇ。それはかなり面白いアプローチですね。
T:ものすごい歌いづらかったですよ(笑)

●この曲のジャポニズムの側面で言えば、 YMOが人民帽を被ってアジア的出自を世界に向けて皮肉し たように、テクノと皮肉、マゾヒズムのようなものは繋がりが強く思います。この曲にも無意識か表れ ていますね。
寺:そうした側面はたしかにあると思います。 YMOへの敬意としてはシモンズドラムを入れているの でこれも楽しんでくれたら嬉しいです。

○インタビュアーのつぶやき:イカすぜバンド天国!時代の亡霊が編纂したかのようなテクノ・ポップ ス。或いは、谷崎潤一郎が今の時代に存在していたらこんな小説を書いていたかも!?阿修羅という と僕にとってはアシュラマン(キン肉マン)だけど、アシュラマン的悲哀もあったり、なかったり。 (122字)


2.ノンレムSwimming

●この曲について、以前 twitterで「つげ義春」であると仰っていましたがそれはどういった意味でしょ うか。
寺:この曲を書いた時にはつげ義春の漫画を読んでいなかったんですが、終わった後に読んでみると 「夢の世界を作品にする」という行為に共通点を見出したのです。

●眠り・夢の非論理的な雰囲気が作品に表れていますね。
寺:特に間奏の部分がそう言えるでしょうね。「おやすみなさい」の部分ですね。

●あそこは何か喋ってますが、あれはなんですか?(笑)
寺:まずはエヴァ愛。(笑)綾波レイとアスカの声で toyottyに「おやすみなさい」を言わせました。言わせたかったんですよ(笑)

T:出来ません!と言っているのにうるさい早くやれと強要されました(笑)

寺:その後は、四人囃子へのオマージュとしての逆回転再生になっています。

T:なんだか中国語っぽく聞こえますよね。

●この曲はキャッチーなんだけど、すごく怖い。 imopyの歌い方の虚ろな感じも凄く怖い。不思議 な曲だと思います。どこにでもいそうな女子大生像なのに、どこか狂気を感じるストーリーですね。
T:それは言えますね。私達が imopyに様々な新しいイメージを付与していこうとした結果こうなった と言えます。 Paint it blackです。(笑)歌い方についてもかなりうるさく言いました。

●はぁ。本人のヒステリーも出てますね。(笑)他に、相対性理論などのイメージも重なりますが、そ れを越えたレベルに到達していると言えるのではないでしょうか。
寺:相対性理論を意識した部分は非常に大きいですが、サビのギターのポリリズムやディレイサウン ドなど様々な部分でオリジナルのモノに仕上げたとの自負があります。

○インタビュアーのつぶやき:僕は「自称」Bメロマニアと名乗ってますが(?)、とにかくこのBメ ロが好き。サビの高揚感を予期させつつ、Aメロと違う景色が見えるBメロこそが全て! imopyの歌は prefab sproutのウェンディー・スミスを想起させる。狂気的な透明感にゾクゾク。(109字)


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1,200円(税込)
DERA-001
1. 瞑想ジュテーム
2. ノンレムSwimming
3. Pyjama de Ojama!
4. 組曲、真冬のヴァカンス
5. 僕はムッシュー
6. とりころーる
7. ジェニーはご機嫌ななめ

Peronica(ぺろにか)
2009年夏、寺尾伴内の新ユニット構想のつぶやきにより、toyotty、imopyの計3名で結成。 日本語ポップスの再興を目指し、1960〜80年代の音楽研究に基づく楽曲制作を行う。 ますます音楽の再分化が進む今日、テクノ、フォーク、ロック、歌謡曲…あらゆる手法を取り入れた楽曲は ジャンルという野暮な柵をひとっ飛びし、もはやノスタルジーにかられたオマージュを越えて、 唯一無二のオリジナリティをみせつける。

懐かしいのか、新しいのか、全ての曲に散りばめられたギミックに面白さと気持ちよさを覚えずにはいられない。 2010年夏、良きリスナーとしての3人の学生はもの静かに、しかしアヴァンギャルドに、 現代の日本ポップスへとひとつのアルバムを投げつけた。

Deracine Music Records
Deracine Music Records